Extra-第2回

禁断の領域?!オーバークロックとは

今回の登場人物

スマ子

スマホ大好き。パソコンのことは全く分からない。

パソたん

パソコンおたく。よく分からない知識が豊富。

「ただいま~(泣)」

「おかえり~・・・ってここ、わたしの家なんだけどね。随分と早いご帰宅(?)で」

「やっぱり一回じゃパソコン決めきれなかったんだよね~」

「メーカーごとの魅力があって、YAMAHA製スピーカーが付いてるとか、

タフな本体とか、薄型で格好いいとか・・・」

「うーむ。まあ余裕があれば、複数店舗を何回かに分けて回るのが良いかもね」

「あとね、店員さんに『オーバークロックできますか?』って訊いたら、

急に真っ青になって違うお店を案内されちゃったんだよ」

「え゛っ・・・!」

「パソたんに聞きそびれてたから店員さんに訊いちゃえ~、と思って質問しただけなのに・・・」

「ごめんスマ子、名前だけ出してついウッカリ説明を後回しにしたけど、

オーバークロックは一般的な家電量販店やパソコン初心者には縁遠い行為だよ」

「えっ、そうなの?」

第4回でちょっと触れたけど、誰でもむやみやたらにできるというものではないからね」

「へぇ~、でもねパソたん、存在を知ってしまった以上、あたしの好奇心は止められないよ?(ワクワク)」

「もちろん、そうだろうと思ってたよ」

「オーバークロックというのは、CPUのクロック周波数を設計上の安全限界(ブースト最大周波数等)

よりさらに突破させて、CPUを稼働させる行為だよ」

「クロック周波数が高ければ高いほど処理性能も上がるというCPUの基本事項を踏まえると、

CPUの潜在能力を引き出すことができるわけだね」

「バトル漫画の最終回近くで主人公がパワーアップする感じに近いね」

「そうだね。でも制約やリスクが多いから、どちらかと言えば代償があるタイプの

『授かった力』のイメージに近いよ。魔法少女で例えてみよう」

「まずベースクロック動作時が普段の能力、ターボブースト時が戦っている時の能力って感じだよね」

「ほうほう」

「そしてオーバークロックというのが、特定の条件を満たしたとき発動する

全ての魔力を費やした全力全開の必殺攻撃・・・」

「つまり威力も凄まじいけど自分への負担や消費魔力も大きい、と言ったら伝わるかな」

「なんかよく分からないけど言いたいことは伝わったよ!」

「うーむ」

「それで、魔法少女の場合だと自分への影響が出るのは理解できたけど、

パソコンの場合は代償としてなにが起こるの?」

「まず、CPUメーカーの設計上のクロック周波数上限を超えるから、当然保証対象外になるよ」

「さらにメーカー想定以上の熱や消費電力が、CPUそのものどころか、

マザーボードを介して他のパーツに悪影響を及ぼす危険性もある」

「CPU単体じゃなくて、周りにも影響を与えてしまうのは困るね」

「こういうデメリットのほうが大きいから、素人が遊び感覚でできるものではないんだ」

「そもそもオーバークロックできるパソコン環境はある程度決まってるから、

市販パソコンではトライできないことがほとんどだよ」

「家電量販店じゃ縁遠いってのは、そういうことだったんだね~」

「それに、最近の市販品は十分な性能を持ってることが多いから、

近年のオーバークロックは性能増強より自作勢の娯楽の意味合いが強いよ」

「オーバークロックを競う大会もあるみたい。

2017年には成城大学生が世界大会で上位入賞を果たしているみたいだよ!」

「わっ、こんな身近にオーバークロックが?!あたしの脳みそも授業中だけオーバークロックできないかなぁ・・・」

「授業中にオーバーヒートしてダウンしてそうだ・・・」

今回のまとめ

・オーバークロックはCPUの全力全開の最終兵器!

・オーバークロックを行うにはある程度以上の知識や環境が必要!

・意外と身近なところにオーバークロッカーがいるかも・・・?(パソたんはオーバークロックしたことがありません)