第8回

いよいよ大詰め!自分のパソコン利用スタイルを考えてみよう!

スマ子

スマホ大好き。パソコンのことは全く分からない。

パソたん

パソコンおたく。よく分からない知識が豊富。

「さあ、いよいよパソコン選びの要点も大詰めだよ」

「そういえば前回、次回予告的なものがなかったね。今回は何なの?」

「パソコンの種類と、パソコンに装備されている接続端子やデバイスについてだよ」

「パソコンの種類って、一番最初にやりそうな項目だけど、とうとう第8回になって初めて触れるんだね」

「確かに最初に触れても良かった項目ではあるんだけどね」

「CPUの性能やグラフィック性能、メモリや記憶装置というように、

パソコンを構成する様々な要素の性質を理解すると、

より一層考えやすくなると思って最後に持ってきたんだよ」

「なるほど、そういう狙いがあったのかぁ」

「さてさて、大詰めとなるパソコンの種類だけど、基本的にはデスクトップ型とラップトップ型に分けられる」

「デスクトップはよく聞くけど、ラップトップは初めて聞いたなぁ」

「デスクトップ・ラップトップはそれぞれ日本語に直すと卓上と膝上。

つまりラップトップは日本で言うノートパソコンだよ」

「それなら最初からノートパソコンって言ってくれればいいのに・・・」

「ごめんごめん。一応ノートパソコンは和製英語だから、

販売店によってはこれらをラップトップ呼びしているところもあるよ」

「一応このコラムではノートパソコンと呼んでいこう」

「パソコンの種類はこのふたつ?」

「基本的にはそうなるね。この中からさらにAll in Oneやスティック型PC、

Ultrabookや2 in 1みたいな細かい分類に分かれていくんだ。

まずはそれぞれの性質を見ていこう」

「まずはデスクトップだけど、とくにタワー型と総称されるものの一番の特徴は、

なんといっても本体サイズから得られる余裕の設計だよ」

「冷却性能が十分に確保できる構造だから、発熱量の多い高性能CPUも積めるし、

拡張性も高いし、とにかく大出力を前提に考えることができるよ」

「でも発熱量が多くて大出力ということは・・・?」

「消費電力が大きいのがネックだね。それにそのための電源は家庭用コンセントだから、

停電とかの電源遮断時は使えなくなるし、本体の大きさと相まって持ち出し使用は向かないよ」

「家で使うことが前提なのかぁ。でも場所を取ったり、電力消費が多すぎるのは嫌だなぁ」

「そうなるとAll in Oneを初めとしたモバイル構成のデスクトップなんかもオススメだよ」

「モバイル構成?」

「第2回でCPUナンバーのプロセッサタイプについて話したのは覚えてるかな?」

「プロセッサタイプ・・・ってなんだっけ?」

「ほら、あのUとかHとかKとか」

「あ、あ~~ああ!アレね、アレ!」

(これは思い出してないヤツだな・・・)

「まあ第2回を参照しながらで良いんだけどね。それで本題に戻るけど、

デスクトップパソコンの中には、デスクトップを名乗りながら

モバイルタイプのCPUを搭載しているものがあるよ」

「デスクトップを名乗りながらモバイルタイプ?なんでそんなまどろっこしいことを?」

「モバイルCPUの利点、つまり発熱量や消費電力、

筐体の薄型化と省スペースという部分を積極的に取り入れるために、

あえてモバイルタイプの構成になっているんだ」

「ただし家庭用コンセントからの電源が

確保できる場所じゃないと使えないのはタワーPCと同じだから、

本体サイズの恩恵はあんまり享受できないかもしれないね」

「ちなみに最初に名前だけ出てきた拡張性っていうのは?」

「後付けパーツや交換できるパーツがどれくらいあるかって感じだね。

一番オーソドックスなのはメモリやGPU(グラフィックボード)だけど、

メモリはともかくGPU交換・増設を前提にパソコンを買うくらいなら、

最初からゲーミングPCを選んだ方が幸せだよ」

「へえ~??」

「ゲーミングPCについては後述するよ、次はノートパソコンだ」

「ノートパソコンは基本的に、本体の厚みと機能面の要素で分かれることがほとんどだよ」

「最近はみんな薄型かつ省電力だからこの呼び方をあんまり聞かなくなったんだけど、超薄型で省電力設計の持ち運びノートPCはとくにウルトラブックなんて呼ばれたりもするね」

「でも稼働時間は3分じゃないんだね」

「それからMicrosoft Surfaceの一部モデルのように

キーボードを脱着してタブレットのようにもできるものは2 in 1

そしてiPadやAndroid OSを搭載するタッチ式の薄型端末はタブレットPCと分類されている」

「えっ、タブレットPCってノートパソコンの種類だったの?」

「うーん、タブレットPCそのものが独立したジャンルだから、

ノートパソコンに分類するかどうかは販売店や人によってばらつきがあるよ」

「そしてノートパソコンの場合、薄さ以外に画面サイズも重要になってくる。

大きすぎても持ち運びにくいからね」

「よく売り場に並ぶ15インチ前後の画面を持つものが、性能的にもサイズ的にも標準クラスになるね。

このサイズだと持ち歩けないこともないけど、だいたいは家に半固定で使うことになるよ」

「そういえばうちのオンボロも15インチってシールが貼ってあったなぁ・・・」

「15インチ前後のサイズは、デスクトップのサイズや価格はイヤだけどそれなりの実用性がほしい、

というニーズにドンピシャだからね。自動車でいえばトヨタカローラ並の優秀さだよ」

「そ、そうなんだー?(位置づけがよく分からないや)」

「持ち歩きを重視したパソコンになると、10インチから13インチ前後が中心になるね。

可能であれば実際に売り場で実物を持ってみて、

どのくらいのサイズが持ち歩きやすいか試してみると良いよ」

「ちなみに、パソコンは小さくなればなるほど、

そして薄くなればなるほど値段も上昇傾向だから、

予算に制限がある場合はよく注意しておく必要があるよ」

「ふむふむ」

「持ち歩きやスペースを重視するとノートパソコン、性能と拡張性を重視するとデスクトップっていう考え方でいいのかな」

「そういうこと」

「そして最後にゲーミングパソコンだけど、これはデスクトップやノートパソコンのなかでも、

とくにゲームに特化した設計がされているパソコンを言うよ」

「高性能なデスクトップとはまた違うの?」

「一応は高性能パソコンという括りにできるんだけど、ゲーミングPCは中身だけでなく、

見た目や付属品もゲーム用に設計されているマシンに当たるよ」

「ゲーム用の見た目や付属品???」

「こればかりは口で説明するよりも見てもらった方が早い」

「わあ~、かっこいい!」

「キーボードや本体が光ったり、普通のノートパソコン以上に冷却性能が高くなっていたり、

モニタ性能が高かったり・・・とにかくゲームするのにもってこいなマシンなんだよ」

「この見た目はもう普通のパソコンに戻れないね!あたし、もうゲーミングPCに決めちゃおうかな~」

「おっと、ビジュアルで選ぶのもいいけど、即決するのはだめだよ」

「え~?こんなにかっこいいのに、なにがダメなの?」

「わたしたちとしては長時間キーボードを叩いて文字を打ち込む機会が多いよね。

そういうときに、このキーボードが本当に便利かということを考えないといけない」

「そういえばそうだった、あたしもよくワープロソフトとかを使うんだよなぁ」

「でも、必ずしもダメというわけではない。

『自分はこれでやれるんだ!』という風に感じたら、

ゲーミングPCでも良いと思うよ」

「よっしゃあ!」

「さて、パソコンの種類はこのくらいにして、シメにパソコンの外部接続に触れておこう」

「外部接続ってUSBのこと?」

「わたしたちに一番身近なのはUSBポートだよね。他にもSDカードスロットや、

HDMIとかVGAみたいな映像端子、DVDドライブやLANポートみたいに、

パソコンには様々な外部接続手段が装備されているよ」

「いざ名前を挙げてみるといろいろあるんだね~」

「パソコンの性能を左右するのはCPUやメモリのようなパーツだけど、

それに対して接続性は、パソコンの使い勝手を左右する要素になるんだ」

「例えばUSBポートひとつ取っても、USB 3.0対応かどうか、端子形状はUSB type-Cだけなのか、

どの規格のポートがいくつ装備されているのかといった部分でかなり変わってくるハズだよ」

「よく分からないんだけど、何がどれくらいあると良いの?」

「こればかりは本当に、まさに個人の好みで選択肢が変わる部分だから、

自分がどういう接続端子を必要とするか、買うときに気にしてみてね、

としか言いようがないんだ。ごめんね」

「分かった!ここまでパソたんに頼りっきりだったからね!この部分は自分で考えてみるよ!」

「獅子は我が子を千尋の谷に落とす、ってね」

「(ちょっと違う気がするけど、黙っておこう)」

「とにかく、これでパソコン選びのポイントは全部押さえたことになるね」

「長いようで短かったね。これなら安心してパソコン選びのステップに進める気がするよ~!ありがとう、パソたん!」

「ふっふっふ、礼には及ばないよ」

「実際にお店で探す場合は、自分が気になる部分やこだわりのポイントだけをピックアップして、

売り場の店員さんに相談するのをおすすめす・・・ってあれ、スマ子?」

「ちょっと新宿の電気屋さんに行ってくる~!」

「もう行っちゃった。相変わらず行動力だけはすごいんだから―」

パソたんから授かった知識を胸に、いざ新宿の家電量販店へと乗り込むスマ子!小田急線の電車に乗る彼女の顔は、自信と期待に満ちあふれていたのであった・・・!

今回のまとめ

・稼働シチュエーションによってパソコン選択は多段分岐する!

・自分の使用スタイルに重点を置いてパソコンを検討しよう