第5回

ベストなメモリを見つけよう!

今回の登場人物

スマ子

スマホ大好き。パソコンのことは全く分からない。

パソたん

パソコンおたく。よく分からない知識が豊富。

「さあ、今回はメモリについてだよ」

「作業机の広さだよね!」

「先を越されてしまった・・・」

「へっへーん!あたしだってそのくらいは理解できていたよ!」

「飲み込みが早いのがスマ子のいいところだからねぇ。一応おさらい程度にまとめておこうか」

「メモリの大きさは作業机の広さ、と。ここまではOKだよね」

「うんうん」

「そしてメモリは大きければ大きいほど快適、と」

「それでそれで」

「以上だよ」

「えっ・・・?」

「だからメモリの話はここでおしまい」

「どうしたの、まるでツチノコにでも遭遇したみたいな顔して」

「ウソ・・・いままであんなに長々活き活きとパソコンの話をしてきたパソたんが、今回は5分も経たずに説明を終えるなんて・・・!」

「うーん、ちゃんと説明すると長くなるんだけど、既製品のパソコンだとメモリの選択肢も限られるからね。最近では4GB、8GB、たまに16GBのどれかって感じなんだよ」

「パソたん的には限られた選択肢なのかもしれないけど、あたしにはどれを選べば良いのかさっぱりなんだよ~」

「確かに、ここで無責任に大きいメモリが良いって言っておいて、16GBのパソコンとかを買われたらわたしの立場が無いね・・・よし、その説明役、引き受けよう!」

「やったぁ!それでパソたん、どのくらいの大きさのメモリが良いの?」

「そうだね、それを見極めるために今回も、ソフトウェアの推奨環境表にお世話になるよ」

「前々回ぶりだね」

「これを見る限り、必要なのは4GBだから、4GBのパソコンを買えばいいのかな」

「そうなるね。でも例えばこれがワープロソフトだったとしよう。そうなると資料集めなんかで、ブラウザや他のソフトウェアも一緒に開いたりするよね」

「そっか、他のソフトウェアもメモリ容量を使うんだね!」

「そうそう。つまり推奨されるメモリ容量ギリギリよりも、ちょっと余裕を持ったメモリ数のパソコンを視野に入れた方が良いってことだね」

「なるほどねぇ~。それじゃあこの場合は8GBが良いの?」

「そうだね。8GBをおすすめするよ。」

「個人的には、今の時代なら8GBが多くもなく少なくもない、無難な選択肢だと思うよ。遠隔授業で使うZoomなんかも、メモリは4GB以上を推奨しているからね」

「ところでパソたん、推奨環境表では2GBでも良いことになってるよね。これはどういうことなの?」

「これはOSやハードウェアの対応ビット数の違いに由来する要求性能の違いだよ」

ビット数?」

「ビットというのはコンピュータが扱う最小の情報単位のことなんだ」

「ちょっとややこしい話だから簡潔に説明すると、ビット数が多い方が、コンピュータの扱える情報量の上限が高い。つまり処理が速くなるんだね。その代わり、情報量が増えることによってメモリもいっぱい必要になるんだ」

「扱える情報量が増えるって、どのくらい違うの?」

「現在市場で主に出回っているOSは32ビットOSと64ビットOS。それぞれが扱えるビットの量は、2の32乗と2の64乗で計算することができるよ」

「うわっ!32ビットはちゃんと42億って出てきたのに、64ビットは計算しようとしたら1.8446744e+19なんて記号が出てきたよ?!」

「eは10の18乗を表すエクサ、つまり100京。32ビットの42億でも多いように思えるけど、64ビットはさらに果てしない情報量を扱うことができるってことだね」

「そして64ビットOSは32ビット・64ビット両方のソフトに対応できるけど、32ビットOSだと32ビット用ソフトしか使えない」

「ビット数に関して触れたついでに、ビット数の違いによって引き起こされる見えやすい問題、メモリ認識量の問題の話もしておこう」

「ノート・デスクトップともメモリ増設することが可能なパソコンがあるけど、4GBより多い数字は32ビット環境が扱えるビット量より多くなってしまう」

「そうするとどうなるの?」

「32ビットOSでは物理メモリをいくら積んでもシステムが4GBまでしか認識できない。つまり4GBより多い部分はシステムが使えないんだ」

「そんなことが起こっちゃうの?買うときは気をつけないと」

「とはいえメモリ8GB以上のパソコンは最初から64ビットOSを搭載しているし、そうでなくても64ビットOSのものが多いから、そこまで気にする必要はないかな」

「なあんだ。それなら安心だね」

「32ビットOSのパソコンが今の新品市場で出回ってるのか、むしろわたしが知りたいくらいだよ。風の噂で聞いた話では、ほんの一部が32ビット構成らしいけどね」

「へぇ~」

「一応メモリの話としてはさらに端子の違いからなるDDR3とDDR4の話、それからメモリ電圧とクロック周波数があるんだけど、このあたりはメモリ増設や交換をしない限りは関係がないから、大幅にカットさせてもらうよ」

「おっけー!」

「今回はサクっと終わらせるつもりでいたけど、結局細かいことを説明することになっちゃった」

「今回でパソコンの基本スペックを左右する要素は終了だよ」

「ここから先は、いよいよユーザーによって着眼点が分かれていく部分についての話になっていく予定だから、自分にベストなスタイルを考えつつ進んでいこうね」

「すごい!なんだかワクワクしてきた!」

「さて、毎回恒例の練習問題だけど、今回はちょっと出しようがないから省略させてもらうよ。パソコンメーカーの製品情報を見ながら、これまでの内容を復習してもいいかもね」

今回のまとめ

・メモリの搭載量は推奨スペックより多めに確保しておくとよい

・OSのビット数によって処理速度や対応できるメモリの量が異なる